フランスで毎年6月21日に開かれる音楽の祭日にラエも参加することにになります。文化の象徴であるフランスで当初は国内対象限定で行われていましたが、植民地時代の影響もあり、国外に向けても開かれて行き、現在は全世界で行われています。
音楽の祭日(フランス語でフェット・ド・ラ・ミュージック)は音楽を次の方法でPRすることを目標としています: 第一に音楽好きな人達が外に出て好きなように演奏や歌うこと、第二にジャンルに関係なく無料で人々が楽しめるコンサートを開催する運営団体の存在。
各国の事情に合わせ、音楽の祭日は変貌して行き、今では世界共通の音楽の表現のエンブレムとなっています。
ラジオ・フランス・インターナショナルのアイディアで始まったと言われていますが、本当のところは病院などあまり音楽には縁がない場所や一般の聴衆にアバンギャルドな音楽を届けたいというミュージシャンの熱意によって始まりました。
ラジオ・フランス・インターナショナルのリンクはwww.rae.com.arでお探しになれます。またラジオ・フランス・インターナショナルがこのイベントの為に開設したウェブサイトでもRAEラエ、世界に向けてアルゼンチンのリンクが掲載されています。
リスナーのみなさんと一緒に、女性だけで構成されるシアンマレーラ・タンゴ・オーケストラについて見てみましょう。20世紀初頭ブエノスアイレスで聴かれていたクラシック・タンゴを現代に蘇らせてだけではなく、パリの前衛的なサロンで始まり世界に認められたフランス・タンゴをも現代に展開しているオーケストラです。
シアンマレーラ・タンゴ・オーケストラは2013年結成。現代タンゴ界の至宝と呼ばれ、メンバーは世界中から集まっています。20世紀全盛期の後消え去ってしまったタンゴやパリ限定で発表された曲を現代に蘇生させることを使命としています。
シアンマレーラ・タンゴ・オーケストラは2016年にブエノスアイレス市政府より重要文化財の指定を受けました。2018年には最後のアルバム Tangos Franco-Argentinosが発表されました。フランスとアルゼンチン間の文化接点を展開する作品です。
アルゼンチンの失われた音楽・文化遺産を探し出し、現代に還元して行く作業は忍耐強い考古学者の発掘調査に似通っています。手掛けるのはソルボンヌ大学院で化学博士号修了のアルゼンチンの科学者 デニス・シアンマレーラ女史です。アルゼンチンとフランス両国で量子力学の研究を行なっています。
続いてシアンマレーラ・タンゴ・オーケストラによるフランス語とスペイン語のタンゴ5曲選んでみました。
日本語訳・ナレーション: 植田敬子
ウェブサイト: フリアン・コルテス