コロナ禍のアルゼンチンにおけるインパクト

アルゼンチン統計局によると、本年度第2四半期、全国で3.757.000の雇用数がコロナ禍により失われています。 この400万近くの失業者たちの多くは自営業、そして社会保障費などの支払いを行っていない非正規雇用者であるとのデーターで、テラン通信社や国内のメディアにより報道されました。 失業者全体で最も割合が多いのが年齢層35歳以上の女性で、同年齢数の男性と比べると多くなっています。 またアルゼンチン統計局は今回記録された失業者数は、2001年から2002年にアルゼンチンで起きた経済危機から回復途上であった2004年度第2四半期マークされた最悪数値以降のものとなっていると報告しています。  

絶滅の危機にあるアルゼンチン東部に生息するインコ

アルゼンチン・リワイルディング・ファンドはアルゼンチン北東部のコリエンテス州のイベラ湿原地帯・自然保護区域でベニコンゴウインコの幼鳥3羽が孵化したと発表しました。150年前から、野性での絶滅が確定していた種です。 イベラ湿原地帯保護区域の入り口1つ、カンビレタ・ゲートで、放鳥された一対のベニコンゴウインコにより1個の卵が産卵されたのがさる5月、発見されました。それ以前、2019年には最初に放鳥された一対のベニコンゴウインコによる3個の卵の産卵が記録され、このカップルがスタディーケースとなりました。 故ダグラス・トンプキンズ氏により設立された The Conservation Land Trustより、イベラ湿原地帯にベニコンゴウインコを蘇らすことを目的とし、アルゼンチン・リワイルディング・ファンドは発足しました。 世界の淡水資源地帯として最大の面積をほこるグアラニ淡水資源地帯の一部となる、広大な面積を購入したアメリカの大資産家・故トンプキンズ設立のトラストは物議を醸す団体として捉えられています。 この問題の淡水資源地帯の広大な面積の購入は90年代、アルゼンチン中央政府、およびコリエンテス州政府の了解のもと、環境保護を名目に行われました。

未だに精算されていない多大な負債

10月12日、アルゼンチンでは ‘文化多様性の日’が祝われます。世界の歴史を塗り替えた史実、アメリカ大陸の征服から現在これまでを振り返り、もう一度考える、そんな日です。 スペインでは ‘スペインの日・ヒスパニックデー’として祝われ、スペインのアメリカ大陸到着・征服より500年以上たった現在でも、国内の36を超えるの先住民族コミュニティーの尊厳を修復し、政治・社会・経済分野への参加を成し遂げることができていないアルゼンチンでは、歴史を振り返り、考え直す日として捉えれています。 世界的な新型コロナウィルス感染症の拡大は僻地や都市部周囲地域を住居地とする先住民族コミュニティーをも直撃しました。貧困、非識字者差別や人種差別が先住民を社会の一員として認めない最も大きな障害となっています。皆を包括すると自認するアルゼンチンでもこのような状況です。 アルゼンチン国立研究機関Conicetのメンバーの科学者、マリアーノ・ナギー氏は国内の先住民族コミュニティーについて研究しています。ナギー氏の肉声でお聞きください。     ///不十分な上下水設備、住居環境や医療機関、そして非正規雇用に象徴される不安定な雇用状況など、根本的な弊害が状況の悪化を招いている。100万人を超えると見られる先住民族の末裔の人々の感染症予防と診察と治療を成し遂げるのは大変むずかしい。/// 前夜祭として、10月11日は先住民族の最後の自由の日を思い出し、数々のオンライン行事が夜通しで行われました。スペイン征服により血で塗られた先住民族の最後の自由の日。 先住民族コミュニティーに市民権の履行と最低限の権利を認めない、これらの先住民族虐殺に等しい蛮行は、善行を主張する現在の国家によりも、続いている。 キャスター:植田敬子 制作:シルバーナ・アベジャネーダ ウェブサイト:フリアン・コルテス

新型コロナウィルス感染症予防ワクチンが臨床試験第3フェーズに入ります

アルゼンチンは BioNTech社と Pfizer社の協力により新型コロナウィルス感染症予防ワクチン開発の臨床試験第3フェーズ実施のため選ばれました。 フェルナンド・ポラック博士が率いる18歳から85歳までの1万人の志願者グループが治験に臨みます。全国公募には2万人を超える人々が名乗りを上げ、最終的にその半分、1万人が選ばれました。     51歳の女性、ファニー・サンティジャンさんはその選ばれた1万人うちの1人です。ブエノスアイレス州に住む、数学の先生です。 アルゼンチンがブラジルとアメリカと共に、今回全世界で行われる治験実施地として選ばれたことは大変重要なこととサンティジャンさんは語ります。全世界で猛威を奮っている新型コロナウィルス感染症予防のため、1人の人間が公衆衛生のため身を捧げるということは本当に大事だと際立たせました。 臨床試験、承認、そして製造まで、最高で2年間のタイムリミットが設けられています。現在第3フェーズに入っており、国内ではブエノスアイレス市内のアルゼンチン軍附属病院で行われています。 日本語訳・ナレーション:植田敬子 制作:シルバーナ・アベジャネーダ ウェブサイト:フリアン・コルテス

新型コロナウィルスを含む多数のウィルスを除菌するPHMG除菌剤がアルゼンチンの科学者の手により開発されました。ブエノスアイレス市に位置するマルブラン研究所は先週より市内とブエノスアイレス州を結ぶ公共交通機関での使用を推奨しています。 匕ネス・ゴンサレス・ガルシア保健省大臣は “公共交通機関内でのウィルス蔓延を防ぐことができれば、国内移動の許可範囲も増えていくことだろう”とのべました。新型コロナウィルス感染拡大により予防対策として国内移動には厳しい規制が掛かっています。 A型・B型肝炎、HIV、インフルエンザ、ノロウィルス、アデノウイルスやロタウィルス、大腸菌、緑膿菌、黄色ブドウ球菌、サルモネラ菌、マイコバクテリウム属、結核菌などのバクテリアや細菌などの除菌にも効果があると報告されています。 水で薄めても2年間効能は続行し、漂白剤と比較すると、脱色はせず、また直射日光で分離し効果が下がることもありません。

ブエノスアイレス市のサン・テルモ地区にあるマファルダ像は、先日この世を去ったイラストレーターでマファルダの生みの親のキノさんを偲び、たくさんの人々が訪れお供え物や花束で像を飾りました。 女性、男性、少女、少年、そして数々のメディアも何十年もの間、アルゼンチンだけではなく人類全体の魂の叫びと理不尽さをこの世にさらけ出した生前のキノさんを偲び、冥福を祈りました。 制作:エリック・ドメルギュ

有名なマファルダの生みの親のイラストレーター

今日88歳でこの世を去ったイラストレーターで漫画家のキノ氏、マファルダの生みの親として、世界のファンに惜しまれるでしょう。55年前にアルゼンチンの雑誌 Primera Plana に掲載が始まりました。マファルダは中流階級の女の子で、頭でっかち、そして反抗的で、社会と政治をを独特のユーモアと感性で風刺する漫画です。 全体主義や性別差別、ジェネレーションギャップなど家族間で発生する事項を笑い、そして皮肉り描く漫画で、時が経ても色あせません。 マファルダって誰? キノさんは “すべての物事、特に更正されない悪に対して疑問を投げかける一人の少女。もう大人になった私でも、今でも問いかける疑問を。彼女を通して悪を、そして更正されなければならない悪を表したかった。しゃべるのはあまり得意ではないので、表現手段としてイラストを選んだ。”とこれまで何度も語っています。 本名はJoaquín Salvador Lavado Tejón、アルゼンチン西部のメンドーサ州に1932年の7月17日生まれました。叔父さんのJoaquin Tejon と区別するため、生まれた時からQuino(キノ)と呼ばれていました。この叔父さんが画家でグラフィックデザイナーで、彼のもとで3歳の時から絵を書き初め、生涯を通し天職となります。 キノさんを有名にした作品、マファルダはスープが大嫌いでビートルズの大ファンという子供特有の好き嫌いを持った少女で、大人特有の社会・政治的問題に口を挟み、世界平和、人権や民主主義について考えさせる、というものです。

アルゼンチン全国で1時間で54件の人工妊娠中絶が行われています。公式統計では1年間で39.025人の成人女性と未成年女子が、中絶に関して何らかの母体への影響で医療機関で手当を受けていると報告されています。中絶を行う氷山の一角、そのうちの16%が10歳から19歳の少女となっています。 さる月曜日、合法・安全・無料中絶手術法の成立を求めるキャンペーン開始より30年を記念するアクションがオンライ上で開催され、全国より参加者がありました。ラテンアメリカ・カリブ海諸国 合法・安全・無料中絶手術グローバル・アクションも同時に祝われました。     違法に行われるヤミ中絶手術は母体を傷つけるケースが多く見られ短期・長期にわたってトラウマを残し、最悪の場合は死にいたります。成人女性と未成年女子の健康を守り、皆平等に医療機関アクセスを保証し、安全な手術を選択できるよう国に求めるアクションです。 ヤミ中絶手術に身を晒す女性の大半が経済的に苦しい状況にあり、安全な医療機関にアクセスできない人たちです。レイプなどの性的暴力の犠牲者で、貧困により違法な手段を選んでしまう、そんな女性たちが人権蹂躙にあい、身体的・心理的に苦しめられています。 アルゼンチン現政権はこれらの訴えを真正面から受け止め、国会に法案を送ることを確約しました。もうすでに合法・安全・無料中絶手術法 全国キャンペーンにより 提出されている法案は現在審議中となっています。 合法で安全、そして無料の中絶手術はラテンアメリカ、及びカリブ海諸国で急性に求められています。母性を強要するのはある一種の奴隷制度でもあります。ヤミ手術は死を意味し、社会格差を増長するものです。 “決断できるために性教育を、中絶しなくてもいいように避妊メソッドを、死なないために合法な中絶手術を“というのが全国キャンペーンの呼びかけです。 ….. 日本語訳・ナレーション:植田敬子 制作:シルバーナ・アベジャネーダ ウェブサイト:フリアン・コルテス

ラエRAEは全国のスタッフと共に参加します

ラエRAEはアルゼンチン国営ラジオ放送局・全国50の支局のジャーナリストと共にアグスティン・ロッシ アルゼンチン防衛大臣にインタビューを行いました。 ラエ、世界に向けてアルゼンチンのホストを努めたのはフランス語番組担当のジャーナリスト、エリック・ドメルギュさんで、インタビューの冒頭の質問を発しました。2018年44人の乗務員とともに行方不明となったアルゼンチン海軍潜水艦ARAサン・ホアン号、1年後に海底で見つかりましが、事実解明のため正義と真実を求める遺族の人々に対し、アルゼンチン海軍がスパイ活動を行ったとの訴えについて意見を求めるものとなりました。 ロッシ防衛大臣は このスパイ活動は違法で、人権を踏みつけ、傷心の遺族の方々を更に傷つけるものであると断言しました。     アグスティン・ロッシ防衛大臣は連邦諜報活動管理局のクリスティーナ・カアマーニョ長官と連名でマウリシオ・マクリ前政権下、潜水艦乗員の遺族らは諜報活動の対象にされたと告発しました。 ロッシ防衛大臣は前政権にとってうるさい存在の人々はスパイされる対象だったと非難し、行方不明になった潜水艦の乗組員の事実解明を求める遺族の訴えは、当時の政権にとっては不都合な存在で、その集団を解体するために諜報活動は行われたと強調しました。 日本語訳・ナレーション:植田敬子 インタビュアー:エリック・ドメルギュ コーディネーター:マルティン・ビビロニ ウェブサイト:フリアン・コルテス

Scroll To Top